Volker Pook

Nummer 5

BTK(ベルリン工科美術大学)学生誌

自然界そのものが決して完全に理解されることのない様に、相も変わらず自然界の秘密の1つである感覚というものに頼ることは未だに価値のあることである。 現代まで、感覚は2つのカテゴリーに分けられていた:精神的な感覚(聴力と視力)と身体的な感覚(感触、味覚と嗅覚)である。異なる生物の感覚には非常に異なる特徴があることが示されている。例えば、男性は犬の2億の嗅細胞のわずか1%を有している。我々は秒ごとに1100万ビットの情報を受けるが、そのうち処理することができるのは40ビットのみ。我々の知覚は主に視覚的であるゆえ、基本的に言語とイメージを通して情報交換をする。このアンバランスさゆえに、デザイナーは合理的な知覚を越え、感覚を表現することができるだけでなく、それをまた別の地点へと移動させる事ができなければならない。“Nummer 5”内のストーリーは、見解と展望を変えることによってこれを試み、またそれによって超越した認識を要求した。BTKでの学際的な研究は、コミュニケーション・デザイン、写真と文章の分野の間での、手に手をとった協力によりこのタスクを可能にした。彼らのクラスで感覚の主題を取り扱ってくださったアンドレイ・グルスゴルド教授とマリーナ・ヌーベール博士に再び深い感謝を捧げる。